2026年は「AIエージェント元年」——自律型AIが事務職・秘書・PMの仕事を根本から変える

目次

① 「自分で考えて動くAI」が2026年、ついに職場に来る

2025年後半から2026年にかけて、AI業界の最大のキーワードは「AIエージェント」になった。

AIエージェントとは、単なるチャットボットと異なり、「自律的にタスクを計画・実行・完了させるAI」のことだ。人間が「この仕事をやって」と指示すれば、AIが自分で必要な手順を考え、ツールを操作し、結果を出す。

2025年11月、AnthropicはClaude Opus 4.5の発表と同時に「Cowork」(デスクトップ自動化ツール)を公開。AIがPC上のアプリケーションを直接操作してタスクを完了させる機能を実装した。定期的な繰り返しタスクのスケジューリングも可能だ。

2025年12月、Salesforce CEOのMarc Benioffは「2025年末までにAgentforceで10億のAIエージェントに力を与える」というビジョンを発表。営業、カスタマーサービス、マーケティングの各領域で、AIエージェントが自律的に業務を遂行するプラットフォームを展開している。

日本でも動きは活発だ。サイバーエージェントの子会社AI Shiftは2026年1月に「AI SHIFT SUMMIT 2026 Winter」を開催し、「AIエージェントが”未来の構想”ではなく、すでに事業で成果を生み始めている現在地」を共有するイベントを実施。営業、カスタマーサポートなど実際の現場でのAIエージェント活用事例が数字とデモで示された。

ソフトバンクはロジスティクスにエージェントAIを導入し、配送効率を40%向上させたと報告。パーソルグループでは、ノーコードのAIエージェント開発環境「CHASSU CRE8」により、半年で約100件のAIエージェントが社内で開発され、その99%が非エンジニアによるものだった。

一次ソース:https://www.anthropic.com/news/claude-opus-4-5(Cowork発表)

② 単なるチャットボットとは次元が違う——AIエージェントの破壊力

AIエージェントが重要な理由は、AIの役割が「道具」から「同僚」に変わるからだ。

従来の生成AIは「聞かれたら答える」受動的なツールだった。ユーザーが毎回プロンプトを入力し、AIが回答し、ユーザーが結果を確認する——この「人間主導のループ」が前提だった。

AIエージェントはこのループを壊す。「来月の営業会議の資料を準備して」と指示すれば、AIが①過去の売上データを収集し②トレンドを分析し③スライドを作成し④上司のレビュー用に共有する——という一連の作業を自律的に完了させる。人間は「指示」と「最終確認」だけを行えばよい。

Gartnerの分析によれば、2026年のAIトレンドの最大のテーマは「生成から行動へ」の進化だ。つまり、AIが「テキストを生成する」段階から、「タスクを実行する」段階に移行する。これは、タスクの実行が主な仕事だった職種に直接的な影響を与える。

パーソルグループの事例は特に注目に値する。非エンジニアの社員が自分でAIエージェントを開発し、自分の業務を自動化している。これは「AIエージェントを使う」のではなく「AIエージェントを作る」レベルに現場が到達していることを示している。

③ あなたの隣の席にAIが座る日

事務職:定型業務の8割がエージェントに移行する——その先に何を担うか

事務職は、AIエージェントの影響を最も直接的に受ける職種の一つだ。

データ入力、ファイル整理、会議のスケジューリング、経費精算の処理、社内文書の作成——こうした事務業務の多くは、AIエージェントが自律的に処理できる。AnthropicのCoworkは、まさにこれらの「デスクワーク」をAIに代行させるためのツールだ。

パーソルグループの事例が示すように、現場の非エンジニア社員がAIエージェントを自ら開発する時代が来ている。つまり、事務職の人が自分の仕事を自動化するツールを自分で作れるのだ。

脅威:定型的なデータ入力、ファイル管理、スケジュール調整、請求書処理——これらの業務は1-2年以内にAIエージェントが主体で処理するようになる。単純作業が業務の70%以上を占める事務職は、大きな変化に直面する。

チャンス:「AIエージェントを管理・改善する事務のプロ」という新しい役割が生まれている。AIが正しく動いているかチェックし、例外処理を担当し、AIエージェントの改善提案を行う——この「AI管理事務」のスキルを持つ人材は、AIの普及に伴って需要が増加する。また、パーソルの事例のように「自分でAIエージェントを作れる事務職」は、社内で圧倒的な存在感を発揮できる。

秘書・アシスタント:スケジュール管理はAIの得意分野——人間に残る「空気を読む力」

秘書業務は、AIエージェントの得意分野と大きく重なる。スケジュール管理、メール対応、出張手配、資料準備——これらはすべてAIエージェントが処理可能になりつつある。

しかし、エグゼクティブアシスタントの本質は「信頼関係に基づく判断代行」だ。上司の性格、好み、優先順位を理解した上での微妙な調整——これはAIには難しい領域だ。

脅威:定型的なスケジュール管理やメール振り分けは、AIエージェントに移行する。「スケジュールの調整だけ」を担当する秘書の業務は大幅に縮小する。

チャンス:「AIエージェント+人間の秘書」のハイブリッド体制が主流になる。AIが定型業務を担当する分、秘書は「上司の戦略パートナー」としての役割に集中できる。重要な会議の事前準備、ステークホルダーとの関係管理、機密情報の取り扱い——こうした「判断と人間関係」が必要な業務に特化した秘書の市場価値は上がる。

PM・プロジェクトマネージャー:進捗管理AIとどう共存するか——「判断」と「調整」が勝負

PMにとってのAIエージェントの影響は、記事5のAIコーディングツールの文脈と重なるが、より広い視点で考える必要がある。

2026年のプロジェクト管理は、「人間チーム+AIエージェントチーム」のハイブリッド運用になる。Devinがコーディングタスクを自律的にこなし、Coworkが事務作業を処理し、AIリサーチエージェントが市場調査を行う——こうした複数のAIエージェントと人間のチームメンバーを同時に管理するのが、新時代のPMの仕事だ。

脅威:進捗管理やステータスレポートの作成など、プロジェクト管理の「定型業務」はAIに代替される。「ガントチャートを更新する」「週次報告を作成する」だけのPMは、存在意義が問われる。

チャンス:「人間×AIのハイブリッドチームを最適に運用する」PMのスキルは、2026年最もホットなスキルの一つ。どのタスクをAIに任せ、どこで人間の判断が必要か——この「タスク配分の設計力」を持つPMは、あらゆる業界で引く手あまたになる。

④ AIエージェントが来る前に「自分にしかできない仕事」を棚卸しする方法

AIエージェントの到来は避けられない。だからこそ「自分にしかできないこと」を今のうちに明確にしよう。

🟢 今日5分でできること

自分の業務を「AIエージェントに任せられるもの」と「人間でなければ無理なもの」に仕分ける

スケジュール調整、メール返信の下書き、データ集計、進捗報告の作成——これらは「AIエージェントに任せられるもの」。一方、予期せぬトラブルの対応、ステークホルダー間の調整、クリエイティブな企画、部下のメンタルケア——これらは「人間でなければ無理なもの」。あなたの業務時間の何割が「人間側」に使われているかを概算しましょう。所要時間:5分。

🟡 今週中にやること

ChatGPTかClaudeで「エージェント的な使い方」を1つ試す

「以下のデータを分析して、問題点を3つ指摘し、改善案をそれぞれ出して」——このように「複数ステップの指示」を出してみてください。現在のAIでもかなりのことができます。この体験が「AIエージェントが職場に来たらどうなるか」のシミュレーションになります。さらに「自分にしかできない仕事」を上司と1on1で話してみましょう。自分の認識と上司の認識のズレが見えてくるはずです。所要時間:AI試用15分+1on1 15分。

🔴 今月中に着手すること

「AIエージェントが来ても残る自分の価値」を3つ定義し、そのスキルを磨き始める

対人関係の構築力、予期せぬ事態への判断力、組織の空気を読む力——AIエージェントには不可能なあなたの価値を3つ書き出し、それぞれを磨く具体的な行動計画を立てましょう。例えば「対人関係構築力」なら、今月は社内外で5人の新しいつながりを作る。「判断力」なら、毎日1つの業務判断の理由を記録する。「AIを管理・監督する能力」も新しいスキルとして磨く価値があります。所要時間:自己定義30分+行動計画1時間。


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この記事を書いた人

AI時代のキャリアを毎日翻訳するメディアチーム。国内外のAIニュースを収集・分析し、あなたの仕事への影響と具体的アクションをお届けします。

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