Block4,000人削減、Salesforce4,000人削減——「AIリストラ」が加速する2025-2026年

目次

① Block 4,000人、Salesforce 4,000人削減——テック大手の「AI置き換え」が止まらない

2025年は「AIリストラ元年」と呼ぶべき年になった。

米国の雇用コンサルティング会社Challenger, Gray & Christmasの集計によると、2025年にAIを理由として発表された米国内のレイオフは約55,000人。2年前の12倍以上に急増した。テック業界だけでなく、製造、航空、金融、教育など幅広い業界に波及している。

2025年全体では約117万人のレイオフが発表され、コロナ禍の2020年(220万人)以来の高水準となった。

そして2026年に入り、さらに衝撃的なニュースが飛び込んできた。2月26日、Block(旧Square、Jack Dorsey CEO)が従業員の約半数にあたる4,000人の削減を発表。DorseyはAIによる労働生産性の変化を明確に理由として挙げ、「ほとんどの企業がこの認識に遅れている」と述べた。

主要な「AIリストラ」の事例を時系列で振り返る。Salesforceは2025年9月にカスタマーサポート4,000人を削減し「AIが業務の50%を処理可能」と発言。Microsoftは2025年を通じて約15,000人を削減し、7月の9,000人削減時にCEOのSatya Nadellaは「AIの時代に向けたミッション再定義」を強調した。Amazonは2025年1月に16,000人を削減、CEOのAndy Jassyは「AIエージェントの活用で今後数年間ホワイトカラー職が減少する」と述べた。HPは2025年11月に4,000〜6,000人の削減計画を発表し、2028年までに10億ドルのコスト削減を目標とした。

一次ソース:https://www.cnbc.com/2025/12/21/ai-job-cuts-amazon-microsoft-and-more-cite-ai-for-2025-layoffs.html

追加ソース:https://www.cnbc.com/2026/02/27/are-dorseys-giant-job-cuts-the-start-of-an-ai-jobs-apocalypse-economists-weigh-in.html

② 「AIリストラ」の構造を理解する——次にどの業界・職種が影響を受けるか

「AIリストラ」の実態には、3つの重要なポイントがある。

第一に、「AIを理由にしたリストラ」と「実際にAIが原因のリストラ」は必ずしも一致しないということだ。オックスフォード・インターネット研究所のFabian Stephany助教授は、多くの企業がコロナ禍で大幅に人員を増やしており、現在のレイオフは「市場の正常化」に過ぎないと指摘する。「AIは言い訳として使われている面がある」という見方だ。

しかし第二に、Forrester Researchの「Predictions 2026: The Future of Work」レポートは、より深刻な問題を指摘している。「AIを理由としたレイオフの半数は、密かにオフショアまたは大幅に低い給与で再雇用される」と予測しているのだ。つまり、「AIで仕事がなくなる」のではなく、「AIを口実に、より安い労働力に置き換えられる」ケースが多いということだ。実際、Klarnaは700人をAIで代替した後、品質低下で顧客が離反し、一部の人間の再雇用を余儀なくされた。

第三に、AIのスキルを持つ人材とそうでない人材の「格差」が急速に拡大している。Forresterの調査では、2025年時点で高い「AIQ(AI活用力指数)」を持つ個人はわずか16%で、2026年でも25%にとどまると予測されている。興味深いことに、Z世代のAIQは22%でベビーブーマー世代の6%を大きく上回るが、企業はエントリーレベルの職を削減しているため、AIスキルの高い若手がむしろ排除されるという矛盾が生じている。

FRB(米連邦準備制度理事会)のChristopher Waller理事は、「ATMが導入されたとき、銀行窓口担当者はいなくならなかった。AIも同様に、単純な自動化ではなく、組織の再編をもたらす」と述べている。問題は、その「再編」の過程で、準備ができていない個人が取り残されるリスクだ。

③ あなたの業界・ポジション別・リストラリスクの見極め方

テック業界:次のリストラ対象になりやすい3つの職種とその理由

Salesforceの4,000人削減が示すように、カスタマーサポートは「AIリストラ」の最前線だ。

2025年全体で、AIを理由とした米国内のレイオフ約55,000人のうち、約51,000人がテック業界に集中している。その中でもカスタマーサポート系の職種は最も影響を受けている領域の一つだ。

しかし、ここで重要な事実がある。Klarnaは700人をAIで置き換えた後、品質低下で一部を再雇用した。Forresterは「AIリストラの半数は再雇用される」と予測している。つまり、「AIでは完全に代替できない」部分が確実に存在する。

今すべきこと:①AI対応ツール(ChatGPTを使ったFAQ作成、AIチャットボットの設計・運用)のスキルを身につける ②「AIでは対応できない複雑なケース」を専門的に処理できる実績を積む ③「AIサポートシステムの品質管理・改善」という新しい役割に自分のポジションをシフトする

非テック業界:テック企業の「1〜2年後の姿」があなたの未来

Amazon CEOのAndy Jassyが「今後数年間でホワイトカラー職を減らす」と明言したことは、管理部門全体への警鐘だ。Blockの4,000人削減も、主にホワイトカラー職が対象だ。

Microsoft CEOのSatya Nadellaは「ソフトウェア工場からインテリジェンスエンジンへ」の転換を掲げ、AIを活用して全社的な生産性向上を目指している。この文脈では、「情報を集めて上に報告する」「部下の作業を管理する」という中間管理職の伝統的な役割の多くが、AIエージェントで代替可能になる。

今すべきこと:①自分の「管理」業務のうち、情報集約・報告・スケジュール調整がどの程度を占めるか把握する ②「AIでは代替できない管理能力」(チームのモチベーション管理、組織文化の構築、戦略的意思決定)を明確にし、そこに時間を投資する ③AIツールを使って自分の管理業務を効率化し、「AI活用のロールモデル」になる

管理職・リーダー:AI削減を「命じる側」と「受ける側」——どちらに回るか

テック企業のレイオフの多くがエンジニア職にも及んでいる事実は、「エンジニアならAI時代も安泰」という思い込みを覆す。Microsoftの15,000人削減には多くのエンジニアが含まれており、AIコーディングツールの進化がジュニアエンジニアの需要を減らしている。

Forresterの予測によれば、エントリーレベルの技術職は最もリスクが高いカテゴリの一つだ。AIコーディングツールがジュニアレベルのタスクを処理できるようになると、企業は少数のシニアエンジニア+AIツールの組み合わせを選好するようになる。

今すべきこと:①コーディングスキルだけでなく、「AIツールを組み合わせたシステム設計能力」を身につける ②特定のドメイン知識(金融、医療、製造など)を深め、「AIエンジニア+業界専門家」のハイブリッド人材を目指す ③最新のAIコーディングツール(Claude Code、Cursor、GitHub Copilot)を日常的に使いこなす側になる

④ 「AIリストラ」の波から身を守る——今すぐ始める3段階の防衛策

AIリストラは「対岸の火事」ではない。今すぐ防衛策を講じることが最大の保険になる。

🟢 今日5分でできること

自分の業務の中で「AIで完全に代替できるもの」が何割あるか把握する

正直に自己評価しましょう。あなたの主要業務5つを書き出し、それぞれ「AIで代替可能な割合」を0〜100%で見積もってください。平均が60%を超えていたら、キャリアシフトの優先度は「高」です。ただしパニックになる必要はありません。重要なのは「気づいた今日が最も早い日」だということです。所要時間:5分。

🟡 今週中にやること

「AI代替不可能な業務」のスキルを1つ選び、意識的に強化する

AI代替率が低かった業務(対人関係構築、創造的判断、倫理的意思決定など)から1つ選び、今週はその業務に意識的に時間を多く使いましょう。さらに転職サイト(doda、ビズリーチ)に登録して市場価値をチェックしてください。転職するつもりがなくても「いつでも転職できる状態」を維持することが最大の防衛策です。所要時間:スキル強化は意識付け+転職サイト登録20分。

🔴 今月中に着手すること

「社内でのAI推進者」になるか「AI耐性の高いスキル」を身につけるか、キャリア戦略を決定する

防衛策は2方向あります。①AI推進者ルート:社内のAI導入プロジェクトに手を挙げ、「AIで人を減らす側」のポジションを取る。②AI耐性スキルルート:対人関係構築、複雑な判断、クリエイティブな業務のスキルを磨き、AIに代替されにくい人材になる。どちらを選ぶかを今月中に決断し、具体的な行動計画を立てましょう。所要時間:戦略検討1時間+行動計画策定1時間。


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この記事を書いた人

AI時代のキャリアを毎日翻訳するメディアチーム。国内外のAIニュースを収集・分析し、あなたの仕事への影響と具体的アクションをお届けします。

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